2008年3月2日(日)
春色の風
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 | 静かな静かな山の中です
聞こえてくるのは風の音と鳥達の歌声くらいで人が入って来る事はめったにありませんでした
山々は積もった雪で一面真っ白になっていて冬を越すために眠りに付いた昆虫やネズミが木の洞の中や土の中にいました
そんな中に一匹のリスがいました
まだ若かったリスの名前はクリスと言います
子リスではありません♪
或る日クリスはいつもと違う音を耳にしました
小さな小さな音です
「まだ寒いのになぁ」クリスはそう思いましたが身体を動かしてそっと表の風景を覗いてみました
やっぱり一面真っ白です
けれどもクリスは雪が動いているのを見逃しませんでした
サラサラと時折音を立てています
「まだ冬だよねぇ」クリスはつぶやきながら外に足を出してみました
前足で雪をちょっと掻いて見ます
すると・・・
ピョコッと緑の新芽が顔を出しました
驚いたクリスが良く見るとその小さな新芽の周りを水が流れています
雪解けが始まったようです
「そろそろ春がやって来るんだなぁ」
クリスは嬉しそうに鼻をピクピクさせて空を見上げると空気の匂いを嗅ぎました
そんなクリスの髭をちょっとだけ暖かさを含んだ風が撫ぜて行きます
No.20 |
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