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No.211 への返信フォームです。

シャンカラ・ストーリー   ..ぷりんす 

 
 
 もう随分と前になりますが、オークランド大学でヴィヴェーカーナンダに関するシンポジウムが開かれました。そのおりに、Ramakrishna Math が出版物の展示販売をしていました。私は難しいものはわからないので、チャイタニヤのまんがとシャンカラ伝の絵本を買いました。シャンカラ伝を読みながら、定番的な Sankara-dig-vijaya の和訳が出されることは考えられないので、この絵本あたりでも和訳したら読書界を益するのではないかと思ったりしました。
 そうこうしているうちに、同書の和訳がネット上にアップされているのを知りました。「Hinduism & Vedanta」というページで、梵文和訳の本格的な業績の間に、ひっそりとすべりこましてありました。シャンカラ注の和訳をできるサイト主であるので、最適の訳者を得たことになります。
 そこで、ネット上の訳文と絵本を見比べながら、拝読してゆきました。平易な和文で、子供にも理解できるもので、原著の趣旨にかなっていると思いました。ほとんど完訳なのですが、若干のところが手付かずで、惜しいなあと思いました。
 以下に気のついたところをメモし、また未訳の段落を補ってみたのが、以下の覚書です。私は同書の訳をする意図はないし、その任にも堪えないので、サイト主様が完成させる作業をされるなら、ご参考までにということです。
   ==========
(左端の数字は、和訳の章番号です。原書のの章には番号はついていません。それと章立ての構成は、和訳では若干改編されています)

3  その庭先に降り注いだのです。 → その庭先に降り注いだのです。こうしてその貧しい女性は貧乏生活から離れたのです。

11 ウバヤバラティは、彼女の夫の敗北を宣告することにためらいを感じました。 → 躊躇わずに夫の負けを宣言しました。

12 カパリカは、夜中になると、・・・・→ シャンカラは弟子達に気付かれないように、真夜中にバイラヴァの寺院へ行こうと企みました。

Man proposes, but God disposes. は英語の諺です。
(to be continued)
..2016/06/24(金) 13:18  No.211
 
Re: シャンカラ・ストーリー   ..ぷりんす 

 
 
一回に投稿できる量に上限があるようなので分載になってしまいました。
   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

13 見事な韻を踏んだ、師を讃える讃歌を歌いながら
→ トータカ韻律の八詩節ひとくみからなる師への讃歌を唱えながら
(この詩は現存しているので、別ファイルに原文と和訳を作りました)

(以下は未訳の部分です。数字は原書のページ数です)
p.16 第二の遊行
 カラディを去ってから、シャンカラはシュリンゲーリに行き、弟子達と一緒にもう暫くそこで暮らしました。しばらくして後、シャンカラは人々をヴェーダの宗教に入れるために、諸国の遊行へと出発しました。訪れた先は、ティルパティ、チダッmバラム、アーメーシュワレム、マヅライ、ナーシク、ソーマナート、ドワーラカ、ウッジャイン、マテュラー及びカシュミールでした。

p.17  全知識の玉座
 カシュミールは母神集配の重要な場所のひとつです。というのも、母神シャーラダーカシミールの地におわします、と言われているからです。この地域には、シャーラダーに捧げられた四つの門を具えた寺院があります。内部には至高知識の玉座があります。その玉座には全知の人だけが座っていいので、他の人はその部屋に入ることは許されていません。東・西・北からの学者で、その知識を証明する試験に合格できた者が、かつて三つの門を開けることができました。しかし南からの学者で試験に合格した者はまだいないので、南の門は開けられたことがありませんでした。そのことを知って、シュリー・シャンカラは南の門から入ってやろうと、その寺院へと向かいました。シャンカラは門のところで押し止められて、多くの学者がやってきて、その知識を試そうとしました。シャンカラはすべての試験官を満足させ、黙らせてしまいました。彼らは門を開き、シャンカラはパドマパーダと共に中に入りました。シャンカラがまさに玉座に坐ろうとすると、その場の女神サラスヴァティーの声が響き渡りました。「あなたが全知識を具えていることは、皆の
認めるところです。しかしその玉座に登るためには、全知識であるだけでは十分ではありません。完全に清浄な生活をおくっている人でなくてはなりません」シャンカラはこれに応えて言いました。「生まれてこのかた、私は罪を犯したことはありません。私は清浄です」これを聞いて母神は満足し、シュリー・シャンカラは玉座へと登りました。
(to be continued)
..2016/06/25(土) 03:10  No.212
 
Re: シャンカラ・ストーリー   ..ぷりんす 

 
 
続きです。
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p.18 伝道の終結
 こうした人生のこの上ない勝利の後で、シャンカラは数人の弟子を連れて、ヒマーラヤのバドリナータへ向かいました。不二一元論の哲学を求める人に教えながら、数日を過ごしました。この様にして、シヴァの偉大な化身であったシャンカラは生涯の三十二年目へと到達しました。
 次にシャンカラはシヴァの聖地であるデーダーラへと行きました。そこは寒さがとても厳しく、弟子達は耐えられませんでした。そこでシュリー・シャンカラは助けを求めて、主シヴァを瞑想しました。この願いに応えて、主の足跡から温かいお湯の温泉が湧き出ました。
 さてブラフマー神に引き入れられた仙人や神々が現れ、シヴァのこの化身をシヴァローカへと連れ帰りました。天上からは花の雨がたくさん降り注ぎ、シヴァの栄光が歌われました。シュリー・シャンカラの生涯は人類にとっての祝福でした。彼は今や神の住居へと戻ったのです。その神的な火花は、神的な炎に融合しました。

p.19 シュリー・シャンカラにより創設された学林
 シュリー・シャンカラは不二一元論の哲学を広めるために、インドの四つの地域に四つの学林を創設しました。四人の主要な弟子は、それぞれの学林の初代院長となりました。南のシュリンゲーリはスレーシュヴァラーチャーリヤが、西のドワーラカはハスターマラカが、北のバドリーはトータカーチャーリヤが、東のプリーはパドマパーダが担当しました。

シュリー・シャンカラの教え
 インド哲学のヴェーダーンタ思想には、三つの主要な学派があります。不二一元論・被限定者不二論・二元論です。シュリー・シャンカラ、シュリー・ラーマーヌジャ・シュリー・マドヴァがそれぞれの学派の開祖です。ここではシュリー・シャンカラにより教えられた不二一元論の主要原則を理解してみましょう。
 真の先生とは、ヴェーダに通暁し、罪がなく、欲望を離れ、ブラフマンを知っている火とです。

p.20 弟子はそうした先生を絶えることのない献身奉仕で以て崇め尊んで、自己の知識を獲得しなくてはなりません。
 幼年期は遊んでいるうちに無駄に過ぎてゆきます。青年期は心に心地よい者に執着して過ぎてゆきます。老年期は過去を思い返すばかりです。悲しいことです。誰も至高の自己に到達することに意を配りません。
 富を蓄えようという欲望を棄てなさい。よい考えを培いなさい。意(こころ)を正しいものへと向かわせなさい。どんなものであれ、自分が得たものに満足しなさい。
 自分の持っている富・友人・若さを誇ってはいけません。時はそれらすべてを、まばたきする一瞬の間に奪い去ってしまいます。幻想で一杯のこの世に対する執着を棄て、すぐにもブラフマンを覚るべく勤め、ブラフマンと融合する様にしなさい。
(to be continued)
..2016/06/25(土) 10:06  No.213



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