| 木下研究室 修士1年 伊東孝文
高木さん、貴重なレクチャーありがとうございました。 百合ヶ丘ヴィレッジのお話とても興味深かったです。スクラップアンドビルド等によって建築寿命が短い日本において、竣工から約30年たった現在も住人にこよなく愛され、そして環境が当時より良くなっていることにとても驚きました。この建築はコンクリートでできているので、木材等と違って素材本来のもつ素晴らしい経年変化はありませんが、素材ではない、この建築を取り巻く環境の素晴らしい経年変化が見て取れました。梁と柱を出さないようにして生まれたフレキシブルなプランや、庭の配置、緑化を防水のために有効活用するなど、テクニカルな面もこの建築を取り巻く環境にリンクしていてとても素晴らしいと感じました。 このレクチャーで一番驚いた点ですが、この集合住宅は傾斜地に建っているにもかかわらず、エレベーターがありません。登りやすいように階段は設計されているけど、それでもたぶん高齢者にとってはきつい。住民はそれを理解した上で、自分が住めなくなったときには引っ越すという気持ちを持っていることに、とても興味をもちました。バリアフリーが騒がれている時代において、このような事が起きていることに驚愕しました。便利ではない代わりに、本当にここが好きな人が住んでいるのだなと感じました。環境と建築のもつ関係の重要性を改めて認識できました。
|
..2013/01/08(火) 01:34 No.116 |
|