悪い癖。



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隷 
 
 禁忌として調教された数々は身に染み込んで
対象は変われども常に状態を維持することで
大いなる意向に寄り添い生命の維持の仮契約とする

忌まわしく恥ずべきなのは視線
常に俯き目を閉じていなくてはならない
ならば一番はじめに取り去ってくれればと願う
自分の罪深さを自らの両目で自覚しながら
刑罰の全てを網膜に焼き付けるためだけの眼球

手指足指はまず念入りに清められ
腕木を当てられ小槌の一突きで離れていく
どんなときにも一番働いてくれた指たち
せっかくならもう少し綺麗に爪紅をしておけばよかった
傷口には止血のための建築用接着剤を

肉体の欠損は二義的な出来事で
もうわたしはずっと以前に死んでいる
遅効性の毒のせいで少しずつ
アイデンティティの崩壊を愉しむ

一分一秒のあいだでわたしの肉体は廃墟と化してゆく
黒く汚く汚濁の塊になった肉のはるか上空を
愛や夢や希望や信頼や友情が
まるで汚水の水溜りのように跨ぎ越して遠ざかる

スプーンで両目を抉り取ってしまったので
恐怖と絶望と苦痛の夢から再び目覚めることはない
リセット機能が狂ってしまったので
この拷夢から逃れる術もない

次に眠りが訪れるときには
もうわたしには支払う肉体を持ち合わせていないのだろう
だから眠らないで 夢を見続ける ロマンスの一粒
..2009/5/13(水)  No.167



 
 
 また 苦しみがやってくる ひとのかたちをして
わたしの錯乱がまたやってくる

もういけないと堰き止めているはずなのに
この不意打ちに 身体中の細胞のざわめきに抗えない

そんな目でわたしを見るのはやめて 毀れてしまう
大切にしているあの不幸な日々が 世界中に拡散していく

わたしを見ないで その優越の瞳は何処までも透明で
くすんだこの胸のうちを晒してしまいそう

声を聴くだけでもこの脆弱な心臓が縮み上がる
同じ空間に居るだけでもこんなに苦しいのに
もう わたしをもっと手酷く踏みつけにして欲しいのに
傷つく事も 絶望でさえ赦されない
雁字搦めの心にもう抗う気力も失せてしまう

目を逸らしたままでいて お願いです
いつも後姿を垣間見るだけでいいの
お願いだから 話しかけないで

こんな苦しみに耐えるほど わたしは強くない
見つける目を抉り出し 彷徨う両腕を切断し
震える足を引き裂いてしまいたい

わたしの罪はわたしだけの負債で当然の成り行きだから
身体なんかいらない こころはいつも傍にあるし
でも そこには 誰も近づくことのないように
世界から厳重に隔離されるのが妥当なのであり

この傷だけはわたしのこころの真実 それだけをよすがに
いつか笑って君とお茶を飲む 輝かしい夢をみる



..2009/5/5(火)  No.166



 
 
 ただ胸の中には荒地に廃墟あり その世界は死んでいるの
わたしだけの乾いた土 もろもろと崩れる黒い城
自分だけが自分を愛する閉塞に溺れ もうわからなくなる

ただ待ち続ける なにを? 永遠を?

不安 願望 このふたつの感情の対立
そして産まれる 滑稽で辛辣で時に陽気な身振り

心が両側から引き裂かれ 萎んでいく 攻撃する
裸のまま誰かに無防備に身を委ねる不安
その相手も不安を抱え殴り掛かって来るのかもしれない恐怖

愛されたい願望の持ついびつな暗さの下の滑稽さ
嗜好品のように愛されたい 中毒にしてしまいたい
おぼつかないフロアでぎくしゃくと動く手足が疎ましい
憂鬱で無残なショウタイムは続く

わたしは 廃墟の瓦礫の中で 踊り続ける
たったひとりの観客もなしに

破片で手足の爪は全て剥がれて
じゅくじゅくと血が染みになる瓦礫が染まっていく

はらはらと 涙が零れてもそれは絶望でなく幽かな希望
わたしの頬に 虹色の光彩ありき 
冷たい夜をいくつもいくつも 踊り続ける



もはや/まだ 存在しないものを手繰り寄せるために



..2009/4/28(火)  No.165



ギルガメッシュ 
 
 毛皮のワンダと罵倒するひと 

ギルガメッシュと罵るわたし

一緒に居るだけで もうそれだけで拷問の日々

憎悪と嫉妬で醜く化して 何処まで堕ちるの
それでも 離れられない
何年か 前の秋 初めて会ってから

ギルガメッシュ 尊敬してた カエサルの英雄譚
出会った頃 信じてた 素敵な所しか見なかった

ビーナスの愛らしさ オフィーリアは一途
出会った頃 ああそうだっけ 自分を好きでいられたっけ



サバトのような暗い晩餐
魔女と暴君呼ばわりのふたり

腐りきった関係 まだそうと呼ぶほど平和じゃない

憎悪と嫉妬で醜く化して 何処まで堕ちるの
それでも 離れられない
憎悪と嫉妬で醜く化して 離れられない

輪廻して もう一度 
枯葉さえ生きてるよな 秋の日に会いたい

ビーナスの愛らしさ オフィーリアは一途
思いやりを陶然として 大切にしてたっけ

ギルガメッシュ 尊敬してた カエサルの英雄譚

出会った頃信じてた 愛することしかしなかった

..2009/4/20(月)  No.164



 
 
 変形してゆく塑性 永久に歪んでいるへこみ
或いは頬の乱暴な縫い目から
引っ張り出す小さな万国旗のような冗談

母は狂った男に濡らし
わたしを屑肉のように投げ与えた

愚かな者には愚かなだけの
醜い者には醜いだけの
貧しい者には貧しいだけの どうしようもない理屈
知識と知性の欠落したわたしに
どうして想像性を獲得することができよう

カニューレをもっと 鼻の奥まで挿し入れて
蝶のかたちの骨の砕ける ぱりぱりと

わたしに 思いつく限りの骨折と切断と
肉が焼ける匂い 傷口に釘を打ち込んで
そのあと折れた身体中の骨を
皮膚の上から押さえ続けて

それがわたしのロマンス 最初で最期の希望

あなたが父だなんて素晴しい幸福
わたしが娘だとは あなたも満足

この糸くずみたいな身体をあげる ぜんぶあげる
だからあなたの夢のなかの湖畔の家に
わたしはこれから入ってゆくの

そこであなたを待っているわ ずっと
..2009/4/18(土)  No.163


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