2007年9月10日(月)
赤穂民報より
|
| 物干し竿2本3万7千円 詐欺同然の悪質販売 購入前に必ず価格確認を 「2本で1000円」と聞いて購入した物干し竿が3万7千円―。ほとんど詐欺とも言えるような手口の巡回販売の被害が7日、赤穂市内であった。悪質販売などの苦情相談を受け付けている市消費者協会は「購入前に必ず価格の確認を」と注意を呼びかけている。 被害にあった市内のAさん=女性=は7日午後、「2本で1000円」と竿竹売りが車載スピーカーから流す声を聞いた。ちょうど家で使っている物干し竿が傷んで折れそうになっており、「ちょうどよかった―」と家の近くに来た業者の軽トラックを呼び止めた。 車から降りてきたのは髪を茶色に染めた「20歳代くらい」の男。 「この辺は潮風がきついでしょう。それなら錆びないのがいいですね」などと言いながらステンレス製の竿を取り出し、「今使っているのと同じ長さにしておきますね」と新品の竿をのこぎりで切り始めた。Aさんは「値段はいくらなの」と尋ねたが、「後で計算するから」と取り合わず、そのまま切断したという。 物干し台に据え付けが終わり、業者が告げた代金は「2本3万7800円」。予想をはるかに上回る金額に「そんなに高いのならはじめに言っておいてもらわないと」と抗議したものの断りきれず、生活費から泣く泣く言われた金額を支払った。 本紙が市内の量販店に確認したところ、ほぼ同等の商品を2000円台で販売しており、やはり値段が法外だったことが分かった。 消費者保護法では、消費者側から業者を呼び止めて品物を購入した場合をクーリングオフ対象としていない。Aさんから相談を受けた市消費者協会は、業者に値引き返金を交渉しようと領収証にあった広島県内の連絡先を調べたが、住所も店名も架空だった。 車を持っていない人や高齢者にとって巡回販売は便利ではあるが、中にはこうした悪質な業者があることに注意しなければならない。 市内には、「配送料300円で自宅まで配達」する量販店もある。物干し竿に限らず、どこの馬の骨か分からないような業者ではなく、信頼のおける地元店から購入するのが何よりの防衛策だ。
No.566 |
|
|
|