2021/12/19(日)
第四次聖杯戦争 倉庫街の続き その4
|
| もっとも、そんな状況を逆転出来るだけの豪運の持ち主が彼の娘の凜ちゃんなんだけど……まぁ、それはそれとして、だ。
とにかく、己のサーヴァントとして召喚する事を選んで喚んでしまった以上、他陣営で無関係のこちらではどうする事も出来ないし、そもそも子供二人抱えている時点で他陣営にそこまで干渉するつもりもないから、この辺りの責任は当人にとって貰うしかない。 むしろ、優先して私が考えなければいけないのは、状況的に仕方がなかったとはいえキャスター達のマスターになってしまった士郎と、ウィザードが間桐から保護した桜ちゃんの今後の事。
第四次聖杯戦争終了時点で、私たちがこの世界に留まれる可能性はかなり低いのだから、できるだけ早く彼らの身柄を安心して任せられる保護者を見つけて、今後の安全性を確保する必要があるだろう。
一番良いのは、先程思考を巡らせた際に候補に挙げた間桐雁夜氏を現時点で転がっているだろう地下下水道から身柄を速攻で確保して治療し、桜ちゃんを預ける事なのだろう。 彼なら、桜ちゃんの事を一番に考えて心身共に守ろうとしてくれるだろうし、そのために必要な努力をしてくれるガッツもある。 経済面では、今度こそ(臓硯をウィザードが始末したので)正式に間桐の家の財産を相続することが出来るだろうし、魔術師としても家名も彼女を守る盾としては十分だ。 まぁ、難点があるとしたら時臣氏への痛烈な敵愾心だが、こればかりは魔術師としての面を優先するばかりに間桐側の事情を調査しなかった彼にも非があるので、正直どちらが悪いとも言えないけどね。 士郎君に関しては、出来れば原作通り衛宮切嗣に養子として引き取って貰いたいところだけど、現時点で敵マスターになっているから難しいかもしれない。
いや・・・・・・待てよ? 別に、どうしても彼に士郎君を養子として托さなければいけない訳じゃ無い。 むしろ、衛宮切嗣だと一般常識や食生活の面で不安が残るし、私とのファーストコンタクト時の状況が殺人鬼による両親惨殺直後で自分も生け贄にされそうだった点で、士郎君のメンタルフォローを考えなければいけない点を考えれば、雁夜氏の方が良い気がしてきた。 元々、彼がこの状況下において助けたいと願っていたのは、桜ちゃんだ。 あのままだと、自分が聖杯を手にしたとしても桜ちゃんの安全を確保する前に死亡する可能性の方がかなり高かっただろう。 例え、その理由がウィザードの念願だったとしても、彼女を助けた事で彼に対してこちらは借りがある状況だといってもいい。
だったら、彼の治療まで済ませた上でその借りを返して貰う代わりに士郎君の事を任せルという条件にすれば、それで問題は解決するのでは無いだろうか?
No.772 |
|
|
|